2023.6.17
ザッツ・エンタテイメント!
『地獄の軍団』KISSの人気に火が付いた
33rpm SEASON III(2023年6月24日OA)No.174
KISS『地獄の軍団』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
6月の33rpmは、今なお輝き続けるヴィンテージROCKをお送りしています。「R&R never die!」今回は、KISSが1976年にリリースしたアルバム『地獄の軍団』です。
派手なメイクに衣装、度肝を抜くような演出で総合エンターテインメントを地で行くバンド、KISS。今年ファイナル・ツアーを行い、12月のニューヨーク公演をもって活動に終止符を打つそうです。
その始まりは、やはりビートルズでした。
1964年2月、人気TV番組『エド・サリヴァン・ショウ』に出演した4人の若者を見た、12才のポール・スタンレーと14才のジーン・シモンズは共に衝撃を受け、音楽の道へ。それぞれが別の人生を歩みながら、プロを目指すバンドで出会います。しかし72年に二人そろって脱退し、新たなバンドの構想を練りメンバーを募集。まずは奔放で変わり者のドラマー、ピーター・クリス。そして、癖のあるクールなギタリスト、エース・フレーリー。
ポールのアイディアでKISSとなった4人は、1973年1月30日デビュー・ライヴを行います。その後もリハーサルを重ね衣装も手作り、メイクも自ら施し少しずつ今の形に近づいていきました。この年の大晦日、イヴェントのステージで、ジーン・シモンズは初めて火吹きを披露。髪の毛に燃え移ったこともあり会場は興奮のるつぼと化し、メディアにも取り上げられました。74年2月には待望の1stアルバム『地獄からの使者』で、メジャー・デビューを遂げました。
デビューまでは順調だった彼らですが、セールスが伸びず2作目の『地獄のさけび』も鳴かず飛ばず。挙句の果てに所属レーベルまで破綻寸前という中、嬉しいニュースが舞い込みます。デトロイトのラジオがKISSをパワープレイして火がついているというのです。ライヴでのパフォーマンスに自信のあった彼らは急遽スケジュールを変更、この可能性にかけてデトロイトでコンサートを行い、ライヴ・アルバムをリリースすることにしました。この目論見は大成功!ホットなオーディエンスと作り上げたアルバム『アライヴ!~地獄の狂獣』が75年秋にリリースされると全米9位の大ヒット。KISSはアメリカを代表するハードロックBANDとして歩み始めました。
76年の『地獄の軍団』では、さらに高みを目指し、より幅広いリスナーへ届くよう、オーケストラ・アレンジや効果音などで構成。ピーター・クリスが作曲したバラード「ベス」はバンド初のトップ10ヒットとなりアルバムも初のプラチナ・ディスクを獲得しました。黄金期を迎えたKISSでしたが、次第にトラブルが生じるようになり、1980年にクリスを解雇。82年にはフレーリーも脱退、以後スタンレーとシモンズ以外は契約メンバーとなります。90年代にかけてはノーメイクで活動したり、メンバーチェンジがあったりと迷走しますが、96年にオリジナル・メンバーでワールド・ツアーを行い、新作『サイコ・サーカス』も発表。
その後フレーリー、クリスの二人は再び離脱。KISSは2018年に活動停止を発表し、19年から「END OF THE ROAD WORLD TOUR」を開始しますが、パンデミックによって中断されました。しかし2023年3月、改めて最終公演のスケジュールが発表され、12月1日と2日、ポール・スタンレーとジーン・シモンズに加え、トミー・セイヤーとエリック・シンガーのラインアップで、スタートの地ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで集大成を迎えます。
KISSのアルバム『地獄の軍団』
SIDE A
「デトロイト・ロック・シティ」
「暗黒の帝王」
「雷神」
「地獄の遺産」
SIDE B
「燃えたぎる血気」
「スウィート・ペイン」
「狂気の叫び」
「ベス」
「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」
KISSのアルバム『地獄の軍団』いかがでしょうか?
ちなみにKISSの初来日は、1977年3月18日。メイクのまま飛行機から降りてきたメンバーは、入国審査のため一旦素顔になり、再びメイクをしてファンの前に姿を現したそうです。
★KISS OFFICIAL
33rpm『地獄の軍団』KISS
●ON AIR:2023年6月月24日(土)21:00~21:55