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2023.2.25

アナログ専門プログラム
3月はピアニストをフィーチャ―

33rpm SEASON II(2023年3月4日OA)No.158
デオダート『ツァラトゥストラはかく語りき』


アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
3月の33rpmは、ピアニストをフィーチャ―してお送りします。
1700年代から作られ、モーツァルトやベートーヴェンなど歴史的な作曲家にも愛用されてきたピアノ。数ある楽器の中で、あらゆるジャンルの音楽になくてはならない、その音色をお楽しみください。3月5日にお送りするのは、1973年にリリースされたデオダートのアルバム『ツァラトゥストラはかく語りき』です。


エウミール・デオダートは、1942年6月22日ブラジルのリオデジャネイロで生まれました。12歳でアコーディオンを習い、後にピアノも始めます。アコーディオン奏者アート・ヴァン・ダムのプレイに憧れジャズに傾倒、編曲やオーケストレーションを学んでいきました。17歳ですでにストリング・オーケストラのアレンジャーとして才能を発揮、エンジニアを目指し大学に入りますが、ナイトクラブでピアノを弾いたりする日々でした。



1962年に初のバンドを結成、67年ごろからプロのミュージシャンとして活動を始め、映画音楽やテレビのための音楽を制作して、リオのソング・フェスティバルで表彰もされました。64年にはアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲をプレイしたアルバム『無意味な風景』でデビュー。以後数々の作品をリリースして、ブラジルを代表するキーボード奏者となりました。またこの頃、ボサ・ノヴァ全盛のアメリカに進出、アントニオ・カルロス・ジョビンやアストラッド・ジルベルトらのサポートや編曲を手掛けるようになります。

1970年、アメリカに拠点を移し、ロバータ・フラックやフランク・シナトラなどの編曲を担当。一流ミュージシャンとの仕事で名をあげたデオダートは、名プロデューサー、クリード・テイラーの目にとまり、72年CTIレーベルに迎え入れられます。さっそくレコーディングが進められ、ビリー・コブハム、スタンリー・クラークなど豪華ミュージシャン参加のアルバム『ツァラトゥストラはかく語りき』が73年にリリースされます。



アルバムにはデオダートのオリジナルのほか、3曲のクラシック作品が収められ、リヒャルト・シュトラウスの交響詩をアレンジしたタイトル曲が大ヒット。全米ジャズ・チャートのトップを獲ったばかりか、ポップ・チャート2位まで上昇、ジャズ、ロック、ソウルなどの要素をミックスした“クロスオーヴァー・サウンド”の先駆けとなりました。



翌年、グラミー賞の最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞、ブラジルのクインシー・ジョーンズとまで呼ばれるようになりました。続く『デオダート2』でも、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」やラヴェルの作品を取り上げ、スティーリー・ダンやムーディー・ブルースもカヴァーしました。73年には自身のバンド、2001スペース・バンドを従え、マジソン・スクエア・ガーデンでコンサートを行い、翌年ライヴ・アルバムとしてリリース。このバンドを率いて来日公演も行われました。

その後CTIを離れ、MCAに移籍して数多くの作品をリリース。78年にはワーナーに移ってリリースした『ラヴ・アイランド』がヒットしました。またプロデューサーとしても、クール&ザ・ギャングの『レディーズ・ナイト』や『セレブレート』といったアルバムを手掛け、ヒット曲を世に送り出してきました。



90年代以降は自身のリリースがありませんでしたが、2010年に『ザ・クロッシング』を発表。アル・ジャロウやジョン・トロペイなど旧知の音楽仲間たちと、メロウでクールなデオダート・サウンドを聴かせてくれました。


デオダートのアルバム『ツァラトゥストラはかく語りき』
SIDE A

「ツァラトゥストラはかく語りき」
「スピリット・オブ・サマー」
「カーリーとキャロル」

SIDE B
「輝く腕輪とビーズ玉」
「牧神の午後への前奏曲」
「セプテンバー13」

デオダートの『ツァラトゥストラはかく語りき』いかがでしょうか?
ちなみに、あのジャスティン・ビーバーとラブラブな妻、ヘイリー・ビーバーはデオダートの孫娘だそうです。
★デオダート OFFICIAL

33rpm『ツァラトゥストラはかく語りき』デオダート
●ON AIR:2023年3月5日(土)21:00~21:55

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