2025.3.05
3月は女性シンガーを特集
私を愛した?カーリー・サイモン
33rpm SEASON IV(2025年3月8日OA)No.263
カーリー・サイモン『ノー・シークレッツ』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
3月は、ひな祭りに始まり春を迎える季節となることから、女性シンガーを特集します。
今日ご紹介するのは、アメリカのシンガー・ソングライター、カーリー・サイモンの出世作『ノー・シークレッツ』です。本名カーリー・エリザベス・サイモンは、1943年6月25日ニューヨーク・ブロンクスで生まれました。父親は大手出版社の創設者でピアノをたしなみ、母親は歌手で活動家という裕福な家庭で育ちます。しかし小さい頃から吃音症に悩み、それを直そうと歌を始め、やがて作曲もするようになりました。
カーリーは姉のルーシーとサイモン・シスターズを結成して、1963年TVの音楽番組に出演。1964年にインディーズから『ミート・ザ・サイモン・シスターズ』をリリースしました。その中からシングル「ウィンキン、ブリンキン、アンド・ノッド」が、マイナー・ヒット。シスターズはさらに2枚のアルバムをリリースしますが、ルーシーが結婚するため解散しました。
サイモンは一時期、ジョン・レノンとも交友のあるロック・バンド、エレファンツ・メモリーに在籍しますが、バンドの劣悪な環境になじめず半年ほどで脱退。1970年にジャック・ホルツマンが興したエレクトラ・レコードと契約してソロ活動に入ります。
そして71年にリリースした、セルフ・タイトルのソロ・デビュー・アルバムから「幸せのノクターン」が全米10位のヒットとなり、アルバムも30位まで上昇しました。第14回グラミー賞で2部門にノミネートされ、最優秀新人賞を受賞。2ndアルバム『アンティシペイション』からもタイトル曲が全米13位のヒットとなりました。
72年には3枚目のアルバム『ノー・シークレッツ』から、シングル「うつろな愛」が全米1位にのぼりつめ、アルバムでもトップを獲得。またこの年、同じシンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーと結婚、次のアルバム『ホットケーキ』では「愛のモッキンバード」でデュエットを聞かせてくれました。
77年には映画『007私を愛したスパイ』の主題歌を歌い、全米2位、全英でも7位の大ヒット。78年の『男の子のように』では、ドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドと共作した「ユー・ビロング・トゥ・ミー」がTOP10入りを果たしました。
80年にはワーナー・ブラザーズへ移籍して『パーティーへようこそ』から「ジェシー」をシングル・カット、全米11位となりゴールド・ディスクを獲得しました。88年には映画『ワーキング・ガール』の主題歌でアカデミー歌曲賞を受賞、94年にはソングライターの殿堂入りを果たしました。
2005年にスタンダードのカバー集『ムーンライト・セレナーデ』で久々の全米7位を記録。最近ではエレクトラ時代の初期楽曲をリマスターしたコンピ・アルバムや『ノーシー・クレッツ』の3Dサウンド版をリリースするなど、まだまだ現役で活動中です。
カーリー・サイモンのアルバム『ノー・シークレッツ』
SIDE A
「愛する喜び」
「カーター・ファミリー」
「うつろな愛」
「フォンド・オブ・ロビン」
「ノー・シークレッツ」
SIDE B
「私を抱いて」
「待ちすぎて」
「イット・ワズ・ソー・イージー」
「ナイト・アウル」
「瞳を閉じて」
カーリー・サイモンのアルバム『ノー・シークレッツ』いかがでしょうか?
ちなみにジェイムス・テイラーとは1983年に離婚していますが、二人の間には娘サリーと息子ベンがおり、二人とも音楽の道へと進みました。
★カーリー・サイモン オフィシャル
33rpm『フリー・アンド・イージー』ヘレン・レディ
●ON AIR:2025年3月8日(土)21:00~21:55