2023.2.18
魂のギタリストの作品をアナログで!
顔でギターを弾くサンタナ!?
33rpm SEASON II(2023年2月25日OA)No.157
サンタナ『アミーゴ!』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
今月の33rpmはジェフ・ベックを偲び、「魂のギタリスト」と題してお送りしています。25日にお送りするのは、1976年にリリースされたサンタナのアルバム『アミーゴ!』です。
感情移入のあまり「顔でギターを弾く」という表現がありますが、このギタリストぐらい顔で弾いている人はいない、まさに「魂のギタリスト」。
本名カルロス・アウグスト・サンタナ・アルベスは、1947年7月20日メキシコ中西部にあるアウトランで生まれました。マリアッチの有名バンドに所属していた父親の影響で、幼い頃からヴァイオリンやクラリネットなど英才教育を受けて育ちます。8才からはギターも始め、ロックンロール・レジェンドのリッチー・ヴァレンスに影響を受けました。
1961年、前年から移住していた家族のもとサンフランシスコに移り、様々な影響を受けました。65年に高校を卒業すると、アルバイトをしながら本格的にギターテクニックを学び、やがてプロの道へ。名門ライブハウス、フィルモア・ウェストで演奏する機会に恵まれると俄然注目を集め、66年にミュージシャン仲間とサンタナ・ブルース・バンドを結成。
69年にはコロムビア・レコードと契約、バンド名をサンタナに改めました。ウッドストック・フェスティバルで衝撃のデビューをはたし、1stアルバム『サンタナ』をリリース。70年の2ndアルバム『天の守護神』、71年の『サンタナIII』と、連続で全米1位を獲得。ラテン・パーカッションをフィーチャーしたラテン・ロックというジャンルを確立します。
4作目『キャラバンサライ』以降は精神世界に傾倒するようになり、ジャズ寄りのサウンドに変化。73年の初来日公演は、3枚組のライヴ・アルバム『ロータスの伝説』としてリリースされました。また76年のアルバム『アミーゴ!』からは「哀愁のヨーロッパ」が日本で大ヒット。
その後80~90年代はマイペースで過ごしますが、87年のソロ・アルバム『サルバドールにブルースを』から、タイトル曲で初のグラミー賞を受賞。しかし、その後はヒットからは遠ざかり過去の人となってしまいました。そんなカルロスを救ったのが、かつての盟友クライヴ・デイヴィスでした。
1999年、クライヴ率いるアリスタ・レコードは、デビュー30年のベテランを若手アーティストと組ませ、アルバム『スーパーナチュラル』を発表。当時勢いに乗っていたマッチボックス20のロブ・トーマスとコラボしたシングル「スムーズ」は見事に大ヒットして、サンタナは完全復活をはたします。12週連続で全米チャート1位に居座り、アルバムも1,500万枚以上を売り上げ、第42回グラミー賞では、「最優秀レコード」はじめ主要8部門独占という歴史的快挙も成し遂げました。
勢いに乗って、2002年のアルバム『シャーマン』が再び全米1位となり、ミシェル・ブランチをフィーチャーした「ゲーム・オブ・ラブ」で再びグラミー賞を受賞。13年3月には、初来日から40周年のジャパン・ツアーを行い、16年に、『サンタナIII』参加メンバーが再集結したアルバム『サンタナIV』をリリース。また19年には、ヒップホップをメジャーにしたプロデューサーのリック・ルービンを迎え、『アフリカ・スピークス』を発表して話題となりました。
サンタナのアルバム『アミーゴ!』
SIDE A
「ダンス・シスター・ダンス」
「テイク・ミー・ウィズ・ユー」
「レット・ミー」
SIDE B
「ジプシー仲間」
「テル・ミー・アー・ユー・タイアド」
「哀愁のヨーロッパ」
「レット・イット・シャイン」
サンタナのアルバム『アミーゴ!』いかがでしょうか?
ちなみに、カルロス・サンタナのギターは「泣きのギター」と呼ばれ、哀愁溢れるサスティーンとタメを効かせたフレージングが、日本人好みのサウンドです。
★サンタナ OFFICIAL
33rpm『アミーゴ!』サンタナ
●ON AIR:2023年2月25日(土)21:00~21:55