2025.4.13
SUNDAY MORNING WAVE
南海トラフ地震対策検討WG報告書について
2025年4月13日ON AIR「地震に自信を」
内閣府から、南海トラフ地震対策検討WGの報告書が出されました。2023年4月から今年3月27日まで、29回にわたり会議が行われました。
現状での被害想定として、死者は最大約29.8万人(冬・深夜)、全壊焼失棟数は最大約235万棟(冬・夕方)、経済被害は資産等の被害が約224.9兆円、経済活動への影響は約45.4兆円になります。被害形態は多岐にわたり、サプライチェーンへの影響や国内・外の主要産業にも大きな影響を及ぼします。
一方で、中山間地域、半島・離島では地域・集落の孤立等が発生、生活への影響の長期化が懸念されています。また、過去の南海トラフの地震では、時間差をおいてM8クラスの地震が発生した事例(いわゆる半割れケース)が知られており、半割れケースの場合、後発地震への備えにより、被害は大きく変化します。
10年前から防災対策がどれくらい進展したのか?能登半島地震など最近の経験を含めて、どのような対策が必要なのか?今後の課題を整理しました。
●おもな防災対策の進捗状
住宅の耐震化率/約79%(平成20年)→約90%(令和5年)
津波避難意識の向上(早期避難率)/20%→29~53%(R5)
海岸堤防の整備率/約39%(H26)→ 約65%(R3)
自主防災組織による活動カバー率/約80 %(H25)→ 約90 %(R5)
企業のBCP策定率/大企業約54%(H30)→約76%(R5)中堅企業 約25%(H30)→約46%(R5)
南海トラフ巨大地震対策は一定程度進展している一方で、社会状況は大きく変化しており、過去の自然災害の経験から得られた教訓を踏まえて、主な対策を整理しています。今後の課題として、従来の行政主体による対策だけでは限界があり、防災に関わる特定の主体による取組だけでは到底太刀打ちできないとしています。
text by 今村文彦
SUNDAY MORNING WAVE
●日時:毎週日曜日8:25~8:55●出演:今村文彦、板橋恵子