2023.12.09
Xmasの定番といえば…
ビング・クロスビーの名作をレコードで
33rpm SEASON III(2023年12月16日OA)No.199
ビング・クロスビー『ホワイト・クリスマス』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
12月は冬に聴きたいレコードを紹介しています。「SOUNDS OF WINTER」今週と来週はクリスマス・アルバムをお送りします。今回紹介するのはクリスマスの定番、ビング・クロスビーの『ホワイト・クリスマス』です。
アメリカの人気歌手で俳優のビング・クロスビーは、1903年5月3日ワシントン州に生まれました。本名はハリーで、ビングは小学生の頃好きだったコミックの主人公の名前=ビングビルから付けられたニックネームです。音楽好きな家族に囲まれ、演劇や音楽に興味を持ったビングは、ゴンザガ大学ではシンガー謙ドラマーとして活動していました。
1926年にはアル・リンカーのバンドでシンガーとしてレコード・デビュー。27年ポール・ホワイトマン楽団に入団、その楽団内で「リズム・ボーイズ」というコーラス・グループ結成して活動していました。1930年、ミュージカル映画黎明期に製作された『キング・オブ・ジャズ』にソリストとして抜擢、さらに人気を得るようになっていきました。
31年までに「リズム・ボーイズ」は解散、ソロ・シンガーとして活動を始めます。さらにはCBSで「ビング・クロスビー・ショー」というラジオ番組を担当すると人気は爆発。レコード、映画、ラジオと股にかけ、マルチ・タレントの先駆けとなりました。この、ラジオとも切り離せないマイクロフォンを使って、声を張らないクルーナー・スタイルという歌唱方法も確立しました。
1934年デッカ・レコードと契約、数々のヒット曲を繰り出していきます。中でも42年のミュージカル映画『スイング・ホテル』の主題歌「ホワイト・クリスマス」は別格。アカデミー主題歌賞に輝いたこの曲は、全米チャートの首位を11週独占したほか、以後2回も首位に返り咲き、史上最も売れたシングルとなりました。ビングだけでも売上げが5,000万枚を記録し、その他のカヴァーなど合わせると総売り上げは1億枚と、ギネス世界記録にもなっています。
また映画の世界でも、1944年の『我が道を往く』ではアカデミー賞主演男優賞を獲得。喜劇俳優ボブ・ホープとのコンビで人気となった『珍道中』シリーズも20年続くほどのヒット作となりました。このように歌や映画をクロスする芸能活動は、フランク・シナトラはじめ多くのフォロワーを生み、アメリカ・ショー・ビジネスのスタイルを確立したといっても過言ではありません。
また趣味も手を抜くことはなく、熱心な競馬愛好家として競馬発展に寄与したり、自らの名前を冠したプロ・ゴルフ・トーナメントを主催したりしていましたが、1977年10月14日、スペインのマドリード郊外のゴルフ場で倒れ、そのまま星となってしまいました。
ビング・クロスビーのアルバム『ホワイト・クリスマス』スーパー・デラックス
SIDE A
「ホワイト・クリスマス」
「きよしこの夜」
「アデステ・フィデレス」
「ゴッド・レスト・イ・メリー・ジェントルメン」
「赤鼻のとなかい」
「サンタ・クロースがやって来る」
「クリスマスをわが家で」
SIDE B
「ジングル・ベル」
「サンタが町にやってくる」
「シルバー・ベル」
「初めてのクリスマス」
「クリスマスらしくなって来た」
「キラニーのクリスマス」
「メレ・カリキマカ」
ビング・クロスビーのアルバム『ホワイト・クリスマス』スーパー・デラックスいかがでしょうか?ちなみに、今私たちが聴いている「ホワイト・クリスマス」は1942年のオリジナル版ではなく、あまりのヒットに、マスター・テープが消耗したため録音しなおした音源なのだそうです。
★ビング・クロスビー オフィシャル・ファンサイト
33rpm『ホワイト・クリスマス』ビング・クロスビー
●ON AIR:2023年12月16日(土)21:00~21:55