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2024.10.27

SUNDAY MORNING WAVE
2023年東日本大震災伝承調査報告 第2弾

2024年10月27日ON AIR「地震に自信を」


東北3県における東日本大震災の2023年伝承活動調査結果を紹介させていただきます。調査を実施した3.11メモリアルネットワークでは、東日本大震災の伝承活動の現状と課題の共有、防災・減災活動の活性化を目的に、毎年実施しています。

今年2月に「2023年東日本大震災伝承活動調査」第1弾として、震災学習プログラム・震災伝承施設の受入人数推移の速報(その後詳報)を公開しています。第2弾詳報では、伝承活動の現状(Q1:基本情報、Q2:連携・相乗効果、Q3:学校における震災学習、Q4:企画や工夫、Q5:活動継続の見通し、Q6:今後に必要なこと・もの)について把握するアンケートを実施、3県26団体・25施設運営組織の担当者が協力してくださいました。

おもな結果としては、東日本大震災を伝承する団体の92%が継続性の不安を抱えており、また、伝承継続に関する公的な資金支援を「不十分」とする回答は61%を占めていました。災害が多発する日本において、国民一人ひとりの防災意識の向上を担う震災伝承の取り組みに対して、東北の被災自治体だけの資金や人材の負担では難しい現状が明らかとなり、次世代への伝承を支える新しい仕組みへの期待が確認されました。

東北の被災沿岸部では、東日本大震災以降に活発な震災伝承活動が始まり、震災前にはなかった修学旅行や視察の訪問があり、新しい地域の価値となっています。なお、第1弾の来訪数調査により、2023年は震災伝承施設への過去最多の来訪数がありましたが、2024年になって来訪数が減少するケースも散見されるようになっています。また、発災直後から活動している震災学習プログラム実施団体(伝承団体)の来訪数はコロナ禍前から伸び悩んでおり、リピート訪問者からの高い評価とは裏腹に、本調査でも「継続性の不安」の大きさが再確認されました。
3.11メモリアルネットワーク
text by 今村文彦


SUNDAY MORNING WAVE

●日時:毎週日曜日8:25~8:55
●出演:今村文彦、板橋恵子