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2023.1.21

20世紀を代表するエンタテイナー
フランク・シナトラの波乱万丈な生涯

33rpm SEASON II(2023年1月28日OA)No.153
フランク・シナトラ『スイング・イージー』


アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
1月は「成人の日」があるのにちなんで、大人の音楽をご紹介しました。
28日にお送りするのは、1954年にリリースされたフランク・シナトラのアルバム『スイング・イージー』です。


大人の音楽、最後は究極の一枚。
20世紀を代表するシンガー、エンタテイナーのひとり、フランク・シナトラです。



本名フランシス・アルバート・シナトラは、1915年12月12日ニュージャージーに生まれました。貧しいイタリア移民の子は、誕生の際に医者のミスによって鼓膜が一部破れてしまいます。そんな彼も、やがて音楽に興味を持つようになり、高校を中退して歌いはじめます。1935年20歳でラジオのタレントショーに、ローカル・グループのメンバーとして出演しました。

1939年、ビッグ・チャンスが訪れます。
ベニー・グッドマン楽団から独立したトランペット奏者ハリー・ジェイムスに見いだされ、初のレコーディングを体験、メジャー・デビューを果たします。そしてこの年、幼馴染のナンシー・バルバドと結婚し、後に3人の子供を設けます。その翌年にはトミー・ドーシー楽団に引き抜かれて移籍、ヒット曲にも恵まれ人気は急上昇。



42年にコロムビア・レコードと契約してソロ・デビューすると、ティーンのアイドルとして大人気となります。43年には、かつてトミー・ドーシー楽団とレコーディングした「オール・オア・ナッシング・アット・オール」が再リリースされ、とうとう全米No.1を獲得。

また、このころからMGMと契約して映画にも進出。45年の短編映画『ザ・ハウス・アイ・リヴ・イン』に主演してアカデミー賞に輝きます。しかし、この差別反対のプロパガンダが仇となったか「左派」とのレッテルが張られ、兵役を果たさず活動を続け、政治家やギャングともつながるフランクは次第に人気が低迷。しまいには不倫スキャンダルによって契約を切られてしまいます。



51年には妻ナンシーとの離婚が成立、女優エヴァ・ガードナーと再婚しますがトラブルの連続。どん底を味わったフランクでしたが、53年の文芸映画『地上より永遠に(ここよりとわに)』の脇役で見事復活、イタリア系アメリカ兵を演じ、アカデミー賞助演男優賞に輝きます。音楽面でもキャピトルと契約して、『ソングス・フォー・ヤング・ラヴァーズ』、『スイング・イージー』といった優れた作品を発表して50年代の最盛期を迎えます。

60年には、自身のレーベル「リプリーズ・レコード」を設立。
「夜のストレンジャー」を66年にリリースすると、自身最大のヒットとなりグラミー賞を獲得。また娘のナンシーとのデュエット作「恋のひとこと」でも全米No.1に輝き、69年にはあの名作「マイ・ウェイ」が大ヒットしました。



また62年に年の離れた女優ミア・ファローと再婚しますが、彼女も心酔していた、マリファナやヒッピーなど若者文化になじめず、わずか2年で離婚。自身も71年に一時引退してしまいます。

しかし73年には早くも復帰、娘のナンシーとの復帰ツアーなど精力的に活動していきます。1980年には晩年の最高傑作『トリロジー:過去・現在・未来』を発表、そこからのシングル「ニューヨーク・ニューヨーク」が最後のチャート・イン作品となりました。その後心臓発作で入退院を繰り返しますが、1998年5月14日が最後となってしまいました。


フランク・シナトラのアルバム『スイング・イージー』
SIDE A

「そんなことなの」
「手紙でも書こうよ」
「サンディ」
「苦しみを夢にかくして」
「恋のチャンスを」
「ジーパーズ・クリーパーズ」
「ゲット・ハッピー」
「オール・オブ・ミー」
ここまでが『スイング・イージー』サイド、

続いて『ソングス・フォー・ヤング・ラヴァーズ』サイド
SIDE B
「マイ・ファニー・バレンタイン」
「ガール・ネクスト・ドア」
「フォギー・デイ」
「ライク・サムワン・イン・ラヴ」
「君にこそ心ときめく」
「リトル・ガール・ブルー」
「誰も奪えぬこの想い」
「コートにすみれを」

フランク・シナトラのアルバム『スイング・イージー』いかがでしょうか?
ちなみに、FBIからマークされるほど問題も多く抱えたながらも、人種差別に対しては反対の姿勢を示し、困った友人に手を差し伸べるなど、人の痛みが分かる一面も持ち合わせていました。兵役を果たせなかったのも誕生時に傷ついた鼓膜のせいで、逃げていたわけではなかったのです。

33rpm『スイング・イージー』フランク・シナトラ
●ON AIR:2023年1月28日(土)21:00~21:55

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