2022.12.03
俳優そして作家としても活躍
リック・スプリングフィールドのFANTASTICなアルバム
33rpm SEASON II(2022年12月10日OA)No.146
「FANTASTIC 80s」リック・スプリングフィールド『アメリカン・ガール』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
12月はDate fmが開局した80年代初期のヒット・アルバムから紹介していきます。
「FANTASTIC 80s」今回は、1982年リック・スプリングフィールドのアルバム『アメリカン・ガール』です。
「天は二物を与えず」ということわざがありますが、稀にそうでない場合もあり、リック・スプリングフィールドも多才なアーティストの一人です。
1949年8月23日、オーストラリアのシドニー生まれのリチャード・ルイス・スプリングソープ。16歳からバンド活動を始め、Zoot(ズート)というバンドでプロ・デビューをしました。リックのルックスも手伝って、Zootはオーストラリアで最も人気のあるバンドとなり、アメリカ進出を目論見ますが、メンバーのビザの関係でアメリカ行きを断念。リックはソロ・アーティストを目指して渡米し、1972年に『ビギニングス』をリリースすると、Zootのセルフ・カヴァー「大空の祈り」は全米14位のヒットとなりました。しかしその後は、レーベルの問題などで成功を手にすることは叶わず、不遇の時代を送ります。
それにもめげず、演技を学んでオーディションを受けるとルックスの良さからTVの世界で俳優として人気となっていきます。「超人ハルク」や「ワンダーウーマン」「宇宙空母ギャラクティカ」などにも出演、81年には昼ドラで高視聴率をとるほどのスターになりました。そして、その年RCAと契約して、アルバム『ジェシーズ・ガール』をリリースすると、タイトル曲が全米シングル・チャート1位に輝き、アルバムもプラチナ・ディスクの大ヒット!
グラミー賞を獲得、TVドラマを降板せざるを得ないほど大ブレイクしたリックは、翌82年に『アメリカン・ガール』をリリース。シングル「ドント・トーク・トゥ・ストレンジャー」と共にアルバムでも全米2位を獲得します。その後も『リヴィング・イン・OZ(オージー)』『ハード・トゥ・ハード』とヒット作を連発。ところが1988年にオートバイ事故で大怪我を負って、音楽活動を休止。90年代中盤までは、たまに俳優としてTVに出演する程度で目立った活動はありませんでした。
しかし97年に活動を再開、98年には10年ぶりとなるソロ・アルバム『カーマ』を発表。日本先行発売に続いて99年にはアメリカでもリリースされ全米ツアーを開催、その音源をまとめたライブ・アルバムもリリースされ、ファンを喜ばせてくれました。2005年にはかつて降板せざるを得なかったTVドラマに、23年ぶりに同じ役で登場。あまりの反響に、予定していた出演回を延長することになったそうです。
その後もコンスタントに作品をリリース。2010年には自身の回顧録を上梓、そして14年には小説家としてもデビューしています。また2016年には18年ぶりに映画に出演、メリル・ストリーブとバンド・メイトを演じました。2022年に予定されていたZootの50周年ライブは残念ながらキャンセルとなりましたが自身のツアーは現在も開催され、今年はアルバム『ジェシーズ・ガール』の40周年記念のCD&DVDがリリースされるそうです。
リック・スプリングフィールドのアルバム『アメリカン・ガール』
SIDE A
「コーリング・オール・ガール」
「今夜はエキサイト」
「恋のあやまち」
「憧れのクリスチーナ」
「トゥナイト」
「ブラック・イズ・ブラック」
SIDE B
「ドント・トーク・トゥ・ストレンジャー」
「内気な俺」
「スティル・クレイジー・フォー・ユー」
「アメリカン・ガール」
「ジャスト・ワン・キッス」
「1981年4月24日」
リック・スプリングフィールドのアルバム『アメリカン・ガール』いかがでしょうか?
ちなみにこのアルバム ラストに収められたナンバー「1981年4月24日」は、この日に亡くなった彼の父親に捧げられた曲だそうです。
★リック・スプリングフィールド OFFICIAL
33rpm『アメリカン・ガール』リック・スプリングフィールド
●ON AIR:2022年12月10日(土)21:00~21:55