2023.10.21
アナログ専門プログラム
天使の声を持つシンガー・ソングライター
33rpm SEASON III(2023年10月28日OA)No.192
アート・ガーファンクル『シザーズ・カット~北風のラストレター』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
10月は秋空に沁みるシンガー・ソングライターを特集しています。「Reach For The Sky」今回は、アート・ガーファンクルが1981年にリリースしたアルバム『シザーズ・カット~北風のラストレター』です。
“天使の歌声”と称されるシンガー・ソングライター、アート・ガーファンクル。
1941年11月5日、アーサー・アイラ・ガーファンクルとしてニューヨークに生まれ、4歳の時、父が買ってきたレコーダーで音楽に興味を持ち始めます。同じ小学校に通っていたポール・サイモンと学芸会で共演したのがきっかけで、高校時代に「トム&ジェリー」というグループを結成。57年、二人で共作したシングル「ヘイ・スクールガール」でデビューしますが、レコード会社が倒産して活動休止となり、それぞれ別の大学へ進学します。
コロンビア大学では美術史を専攻、大学院で数学の修士号を取得しますが、歌うことは続けていました。そんな中、62年にポール・サイモンと再会して、再び一緒に活動をするようになります。サイモン&ガーファンクルはコロムビア・レコードと契約して、1964年にアルバム『水曜の朝、午前3時』でデビューしますが、結果は散々。失意の果てにアートは再び大学へ戻り、ポールはヨーロッパへ放浪の旅へ出てしまいます。
ところがここで信じられない出来事が起こります。
プロデューサーが、アルバム収録曲の「サウンド・オブ・サイレンス」にエレキ・ギターやドラムをオーヴァー・ダビング。これを勝手にリリースしたところチャート・インして、66年とうとう全米1位に昇りつめます。ここからサイモン&ガーファンクルの快進撃が始まり、1970年の『明日に掛ける橋』まで続きました。
その後はソロ活動に入り、アート・ガーファンクルは73年にアルバム『天使の歌声』をリリース。シングル「友に捧げる讃歌」が全米9位となり、アルバム・チャートでも5位となりました。75年の『愛への旅立ち』からはポール・サイモンと共演した「マイ・リトル・タウン」がヒット、78年リリースの『ウォーターマーク』ではシングル「ワンダフル・ワールド」で、ポール、そしてジェイムス・テイラーと共演してヒットさせています。
しかし、79年の『ファイト・フォア・ブレックファスト』発表後、映画の撮影中に恋人が自殺。ショックのあまりしばらく沈黙を守っていましたが、旧友のポール・サイモンが寄り添い、81年に『シザーズ・カット~北風のラストレター』で復活。ポールとのデュエットも聴かせてくれました。さらにこの年、セントラル・パークでサイモン&ガーファンクル再結成コンサートを開催、50万人を集め、ライブ・アルバムもリリースされました。その後ツアーも行われ、来日公演も果たしますが、再結成アルバムは未だ実現していません。度々サイモン&ガーファンクルは復活しつつも、ソロとして今も活動は続いています。
アート・ガーファンクルのアルバム『シザーズ・カット~北風のラストレター』
SIDE A
「シザーズ・カット(愛の回転木馬)」
「ハート・イン・ニューヨーク」
「街はたそがれ」
「北風のラストレター」
「雨の舗道」
SIDE B
「ひとり窓辺で」
「フレンチ・ワルツ」
「ロマンス」
「美しき若葉の頃」
「愛してる、ただそれだけ…」
アート・ガーファンクルのアルバム『シザーズ・カット~北風のラストレター』いかがでしょうか?ちなみに、アート・ガーファンクルは俳優としても活動していて、マイク・ニコルズ監督とは2作、その他計5作に出演しています。
★アート・ガーファンクル オフィシャル・サイト
33rpm『シザーズ・カット~北風のラストレター』アート・ガーファンクル
●ON AIR:2023年10月28日(土)21:00~21:55