2025.2.08
2月はDancin’ 80's
トンプソン・ツインズ『サイド・キックス』
33rpm SEASON IV(2025年2月15日OA)No.260
トンプソン・ツインズ『サイド・キックス』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
今月は皆さんに温まっていただけるよう、ダンサブルなレコードを紹介します。
「ダンシング’80s」今回ご紹介するのは、イギリス、ニューウェーヴ・シーンから出てきたトリオ、トンプソン・ツインズのアルバム『サイド・キックス』です。中心人物のトム・ベイリーこと、トーマス・アレキサンダー・ベイリーは、1954年1月18日イングランド北部のヨークシャーに生まれました。音楽との出会いはバッハという恵まれた家庭に育ち、幼い頃からクラシック・ピアノを習って、一時は音楽の教師をしていた時期もありました。
1977年、トム・ベイリーはシェフィールドでトンプソン・ツインズを結成。ロンドンへ出て、何度かのメンバー・チェンジを経た後1980年にレコード・デビュー。翌年の1stアルバムから、演劇出身でバンドのローディーだったジョー・リーウェイが参加。さらにトムのガール・フレンド、アラナ・カリーも加わってバンドは7人編成となりました。
81年アリスタ・レコードと契約して2ndアルバム『イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ』をリリース。プロデューサーはウルトラ・ヴォックスやU2を手掛けるスティーヴ・リリホワイト、アルバムはアメリカでもリリースされ、タイトル曲が全米ダンス・チャートで1位を獲得しました。
ようやくブレイクの兆しが見えたものの、バンド内に不協和音が広がりメンバーが続々脱退。結局残ったのはトム・ベイリー、ジョー・リーウェイ、アラナ・カリーの3人でした。この頃からシンセサイザーをフィーチャ―したポップでダンサブルなサウンドにシフト。83年に『サイド・キックス』をリリースすると、全英2位、全米でも34位のヒットとなりました。
第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンの波に乗ったトンプソン・ツインズ。84年の『ホールド・ミー・ナウ』は、タイトル曲のヒットに導かれ全英でトップ、全米でも10位となり世界中で大ヒット、この年初来日公演も行われました。
翌85年のアルバム『フューチュアー・デイズ』も全英5位、全米20位と健闘しますが、86年にジョー・リーウェイが脱退して、その後は人気に陰りが見え始めます。91年にトム・ベイリーとアラナ・カリーは結婚してニュージーランドへ移住。この年、アルバムをリリースして93年にトンプソン・ツインズは解散してしまいます。
ベイリーは2018年に初のソロアルバムをリリースして、2000年代はソロ活動が中心となります。ところが2014年ハワード・ジョーンズとのアメリカ・ツアーをきっかけに、トンプソン・ツインズの楽曲を演奏するようになり、29年ぶりに来日。2024年は『ホールド・ミー・ナウ』40周年記念盤をリリースしてツアーを行い、現在もソロ・ツアーを続けています。
トンプソン・ツインズのアルバム『サイド・キックス』
SIDE A
「ラブ・オン・ユア・サイド」
「ライズ」
「イフ・ユー・ワー・ヒアー」
「ジュディーの場合は」
「ティアーズ」
SIDE B
「ウォッチング」
「ぼくらは探偵団」
「神風」
「ラブ・ライズ・ブリーディング」
「オール・フォール・アウト」
トンプソン・ツインズのアルバム『サイド・キックス』いかがでしょうか?
ちなみにトム・ベイリーとアラナ・カリーは2004年に離婚しており、彼女は現在、ミス・ポケノという名前でアーティスト、フェミニストとして活動しています。
★トム・ベイリー オフィシャル
33rpm『サイド・キックス』トンプソン・ツインズ
●ON AIR:2025年2月15日(土)21:00~21:55