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2023.3.04

ジョー・サンプルのピアノの音色に
あの日の星空を想う…

33rpm SEASON II(2023年3月11日OA)No.159
ジョー・サンプル『虹の楽園』


アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
今月の33rpmは「Piano Sings」と題して、ピアニストをフィーチャーしてお送りしています。東日本大震災から12年目となる11日、ピアノの優しい音色にあの日を思いやってみてください。

この日にお送りするのは、1978年にリリースされたジョー・サンプルのアルバム『虹の楽園』です。


本名ジョゼフ・レスリー・サンプルは、1939年2月1日テキサス州ヒューストンで生まれました。5歳からピアノを始め、高校生になると友人たちとバンドを結成。メンバーは、サックスのウィルトン・フェルダー、ドラムのスティックス・フーパー。ここにトロンボーンのウェイン・ヘンダーソンが加わってジャズ・クルセイダーズが誕生しました。

1960年に拠点をロサンゼルスに移し、パシフィック・ジャズというレーベルと契約。61年、ジャズ・クルセイダーズはアルバム『フリーダム・サウンド』でデビューしました。ハードバップを基本としながら、R&Bやソウルなどを取り入れた独自なサウンドで、初のチャート・インは、66年スティーヴィー・ワンダーのカヴァー「アップタイト」。69年パシフィック期最後のアルバム『パワーハウス』で、アルバムチャートにも登場しました。



この頃からジョー・サンプルはセッション・マンとして多くのレコーディングに参加。モータウンのレギュラー・メンバーとなり、ダイアナ・ロスやジャクソン5のサポートをしました。バンドも活動の場が広がると、1970年には “ジャズ”を外し、クルセイダーズに改名。74年にはギタリストのラリー・カールトンが正式メンバーとなり、エレクトリック化が進行します。ジョー・サンプルもアコースティック・ピアノから、エレピやクラヴィネットにシフトし、当時ブームとなっていたクロスオーバー、フュージョン・サウンドに寄って行きます。



メンバーは、各自セッション・ミュージシャンとして多忙を極めますが74年に『サザン・コンフォート』、75年に『チェイン・リアクション』、76年には『南から来た十字軍』と、続々とアルバムをチャートに送り込んでいきます。しかしここで、ウェイン・ヘンダーソンとラリー・カールトンが脱退。1979年には、アルバム『ストリート・ライフ』から、ランディ・クロフォードをフィーチャーしたタイトル曲が初の全米トップ40ヒットとなり、バンドはピークを迎えます。ところがこのヒットが仇となり、レーベルと意見の対立によって88年に解散。



60年代からバンドと並行して独自の活動を続けるジョー・サンプルは、78年にソロ・アルバム『虹の楽園』を、79年に『渚にて』をリリース。ファンクなバンドでの演奏とは別に、ロマンチックなピアノを聴かせてくれました。88年以降はワーナー・ブラザースに移籍して、かつてのバンド・サウンドを思わせるようなアルバムや、ジャズ・スタンダードのカヴァーなど、幅広い作品を発表してきました。

また2003年にはクルセイダーズが再結成しますが、2014年4月にウェイン・ヘンダーソンが他界。同年9月12日、ジョー・サンプルまでもが星になってしまいました。


ジョー・サンプルのアルバム『虹の楽園』
SIDE A

「虹の楽園」
「野性の夢」
「道草」
「メロディーズ・オブ・ラヴ」

SIDE B
「飛翔」
「愛は限りなく」
「雨の島影」
「旅立ち」

ジョー・サンプルのアルバム『虹の楽園』いかがでしょうか?
「メロディーズ・オブ・ラヴ」の優しいピアノは、まるであの日の星空のようです。
ちなみに、ジョー・サンプルの初来日は1966年。パーシー・フェイス・オーケストラのピアニストとしてだそうです。

【ジョー・サンプル facebook】

33rpm『虹の楽園』ジョー・サンプル
●ON AIR:2023年3月11日(土)21:00~21:55

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