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2024.11.24

SUNDAY MORNING WAVE
原子力安全の新規制と基準津波

2024年11月23日ON AIR「地震に自信を」


今回は、原子力安全について紹介したいと思います。原子力安全とは、原子力発電所などの原子力利用に当たって、原子力事故による放射線の悪影響から人・社会及び環境を防護することを目的とします。原子力安全は、放射線の影響から人間や環境を守るために重要であり、その周辺では、特定の地域やコミュニティにおける安全性も確保する必要があります。

我が国では、東日本大震災後に、原子力規制庁(委員会)が設置され、二度と原子力事故をおこさない対策を進めています。その代表が新規制基準になります。これは設計基準の強化とシビアアクシデント対策の二本柱で構成されています。また、「深層防護」の徹底:目的達成に有効な複数の(多層の)対策レベルを用意し、かつ、それぞれの層の対策を独立して検討することです。


また、共通要因故障をもたらす自然現象等に係る想定の大幅な引き上げを行いました。それに対する防護対策を強化、地震・津波の評価の厳格化、津波浸水対策の導入、多様性・独立性を十分に配慮、火山・竜巻・森林火災の評価も厳格化しています。新規制基準では、考えられる最大の津波である「基準津波」を策定した上で、原子力発電所の安全設計や安全対策を行うよう求められております。

この基準津波は、地震のほか、地すべり等の地震以外の要因、及びこれらの組合せによるものを複数選定し、不確かさを考慮した上で策定することとされています。 女川原子力発電所では、東日本大震災後、さらなる安全対策が進められてきました。

原発の安全性については、福島第一原発事故を受けて、先ほど述べたように特に重要視されており、新しい厳格な安全基準を設定しました。女川原発もその基準に基づいて、安全対策を強化し、審査を通過しました。具体的には、津波の高さを予測し、それに対する防護壁の建設や、重要機器を高所に移すなどの対応が行われ、先日、2号機が、13年ぶりに再稼働しました。

text by 今村文彦


SUNDAY MORNING WAVE

●日時:毎週日曜日8:25~8:55
●出演:今村文彦、板橋恵子